山本理顕が設計の広島西消防署
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広島市西区にある広島西消防署は、山本理顕設計工場が2000年に竣工させた公共建築です。「市民に開かれた消防署」というコンセプトのもと、約2400枚のガラスルーバーで覆われた外壁と、斜めに張り出したコンクリート製の大階段兼観覧席が印象的なデザインを生み出しています。機能性を保ちつつ、まるでギャラリーのような開放的な佇まいは、建築ファンのみならず多くの市民を魅了しています。
外壁は全面ガラス張りではなく、水平に配置されたガラスルーバーによって内部の様子を程よく隠しつつも、市民が消防活動を垣間見られる設計です。これにより消防車の格納風景や訓練中の消防士の動きが外から透過的に伝わり、地域と消防署との一体感を高めています。
建物正面から斜めに張り出した大階段兼観覧席は、緊急時の訓練スペースとしても機能し、普段は市民が腰かけて休憩したり、地域イベントの観覧席としても利用できる多用途性を備えています。単なるスロープではなく、コンクリートの塊として存在感を放つこの要素は、山本氏が提唱する「生活に開かれた公共空間」を象徴しています。
内部には中央吹き抜けのアトリウムがあり、各階の様子が見通せるほか、自然光が豊富に差し込む明るい空間となっています。消防士の居住エリアや訓練施設は効率的に配置され、24時間稼働する消防署としての機能性と、公共建築としての開放性が両立しています。
[入場]
内部の見学は原則できません。
- カテゴリ
- 広島市|建築|建築家
- 場所
- 広島県広島市西区都町43−10
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