世界灯台100選の美保関燈台

島根半島の最東端、地蔵崎に位置する美保関灯台は、明治31年（1898年）に初点灯された、山陰最古の石造り灯台です。現役の灯台として全国で初めて国の登録有形文化財に登録され、その後令和4年（2022年）2月9日に国の重要文化財にも指定されました。また、「世界の歴史的に特に重要な灯台100選」や「日本の灯台50選」に選ばれています。雄大な日本海と大山を一望できる絶景スポットとしても知られ、歴史的価値と自然美を兼ね備えた魅力的な場所です。

美保関灯台の最大の魅力は、その歴史と重厚な石造りの佇まい、そして灯台から望む雄大な日本海のパノラマです。明治時代にフランス人技師の指導のもと建設されたとされ、その堅牢な造りは100年以上を経ても現役で航海の安全を守り続けています。灯台周辺は地蔵崎と呼ばれる断崖絶壁が続き、荒々しい自然の造形美も楽しめます。晴れた日には遠く隠岐諸島まで見渡せ、その開放感は格別。特に日の出や日没時は空の色が変化し、幻想的な景色を堪能できます。

灯台のすぐ隣には、旧灯台職員官舎を改装した「灯台ビュッフェ」というカフェが併設されています。ここでは日本海の景色を眺めながら軽食やコーヒーを楽しめます。灯台内部は原則非公開ですが、このカフェからの眺めだけでも十分に価値があります。

美保関灯台は歴史的建造物としての価値が高く、自然景観の美しさも相まって写真愛好家に人気です。灯台へと続く遊歩道は海岸線に沿っており、ドライブそのものも楽しめます。風の強い日や雨の日には波しぶきが舞い上がり、荒々しい日本海の表情を感じることも。個人的には、灯台の重厚感と、それを包み込む自然とのコントラストが、この場所の最大の魅力だと思います。


【豆知識】
・美保関灯台は海上保安庁により「Aランク」23基のうちの一つに指定。

・建設は明治31年、開港した境港の航海安全を目的に行われた。

・昭和37年（1962年）以降は無人化され、遠隔管理になっている。