飛騨一宮 水無神社

延喜式神名帳に「水無神」と記され、中世以来飛騨一円の宗祀として崇敬を集めてきました。主祭神は御歳大神で、「水主（川の水源をつかさどる神）」の意を持ち、古くは位山の分水嶺に鎮座。社名は「みなし（水成）」とも解され、川床が伏流する地形にも由来します。

御神徳は水徳を中心に、作神（農耕豊穣）、養蚕・畜産守護、延命長寿のほか、子授け・安産・育成、交通安全、家内安全・商売繁盛・開運厄除など多岐にわたります。毎年4月3日の「生きびな祭」では女性幸福・良縁を願う参拝者が詣で、飛騨内外から賑わいを見せます。

創立は神代とも伝わる一方、貞観9年（867年）従五位上、元慶5年（881年）従四位上と位階を重ね、鎌倉期には両部神道、戦国期には一宮党の隆盛を経て、慶長12年（1607年）金森長近の造営で再興。明治以降は国幣小社に列し、昭和期には大造営を遂げ、現在の社容を整えています。

近くには桜の名所である「臥龍桜」があります。