木造復元の天守 - 掛川城

掛川城は、静岡県掛川市に位置する、戦国時代に山内一豊（やまうちかつとよ）が築いたとされる平山城です。現在の天守は、1994年に日本で初めて本格的な木造で復元されたもので、その壮麗な姿は、当時の城郭建築の粋を今に伝えています。周囲は掛川城公園として整備され、歴史的な建造物と、美しい自然が調和した空間として、多くの観光客や地元の人々に親しまれています。

この城の最大の魅力は、やはり木造復元された天守閣です。鉄筋コンクリート造りとは異なる、木の温もりや香りが感じられる内部は、当時の城の構造をよりリアルに体感できます。最上階の展望台からは、掛川市街や遠くの山々、そして清流・逆川（さかがわ）の美しい景色を一望でき、当時の城主が見ていたであろう壮大な眺めに思いを馳せることができます。また、城内には、掛川城の歴史や、城主に関する展示物もあり、深く学ぶことができます。

掛川城は、天守閣だけでなく、美しい御殿や太鼓櫓など、見どころが豊富です。特に、現存する御殿は、重要文化財に指定されており、書院造りの格式高い建築美を鑑賞できます。周辺の城下町は、昔ながらの風情が残されており、散策も楽しめます。


【豆知識】
戦国時代には、山内一豊が城主として10年間在城しました。働き盛りの一豊は大規模な城郭修築を行い、天守閣、大手門を建設するとともに、城下町の整備や大井川の治水工事などに力を注ぎました。

明治時代になると、廃城となり、石垣や天守閣は取り壊されました。
現在、天守閣が復元されました。その後、大手門や二の丸御殿なども復元され、2002年に「掛川城天守閣・御殿」として国の重要文化財に指定されました。