源平合戦に由来 - 藤戸饅頭 本店

倉敷市藤戸町に位置する「藤戸饅頭 本店」は、源平合戦に由来を持つと伝えられる、約800年の歴史を持つ老舗の和菓子店です。源平盛衰記に登場する「藤戸の渡し」の故事にちなんでおり、源氏の武将・佐々木盛綱が、浅瀬を教えた村人を口封じのために斬り捨てた後、その村人の供養のために藤戸寺に供えられた饅頭が始まりとされています。現在の本店は、江戸時代末期の万延元年（1860年）に創業したもので、その風情ある建物も魅力の一つです。

藤戸饅頭は、薄い皮でなめらかなこし餡を包んだ小ぶりな饅頭で、素朴で上品な甘さが特徴です。添加物を使わず、蒸したもち米の麹と小麦粉を発酵させて作った薄皮は、口の中でとろけるような食感を生み出します。一つ一つ手作業で作られており、できたての温かい饅頭をその場で味わうこともできます。地元の人々はもちろん、倉敷観光のお土産としても大変人気があります。

倉敷美観地区から少し離れた場所にありますが、歴史を感じさせる静かな街並みの中に溶け込んでいます。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のロケ地にもなったことで知られ、その佇まいを見るだけでも価値があります。倉敷の歴史と文化に触れながら、伝統の味覚をぜひご堪能ください。

また、倉敷市玉島にはおはぎが有名なやまとがあります。

【豆知識】
藤戸饅頭の起源は、寿永3年（1184年）の源平合戦にさかのぼるとされています。現在の本店は、幕末の万延元年（1860年）に創業しており、160年以上の歴史があります。皮があるのかないのか、というほど薄いのが特徴で、こし餡の優しい甘さが際立ちます。

【穴場スポット情報】
藤戸饅頭 本店のすぐ近くには、源平合戦ゆかりの地「藤戸寺」があります。盛綱が村人の供養を行ったとされるお寺で、歴史好きには見逃せないスポットです。また、周辺の藤戸町には、源平合戦に関する史跡が点在しており、歴史散策を楽しむことができます。藤戸寺の近くには藤棚があり、春には美しい花が咲き誇ります。