苔庭 わらべ地蔵 - 天台宗 京都大原三千院

京都市左京区大原に位置する三千院は、伝教大師最澄が比叡山延暦寺を開いた際に、根本中堂建立のための材木を求めてこの地に入り、草庵を結んだのが起源とされています。清和天皇の皇子が出家して住持を務めたことから、「門跡寺院」と呼ばれる格式の高い寺院となりました。特に、国の重要文化財に指定されている往生極楽院は、阿弥陀三尊像を安置し、そのお堂を取り囲むように広がる杉木立と苔の庭「有清園（ゆうせいえん）」は、訪れる人々に深い感動を与えます。

有清園には、愛らしい「わらべ地蔵」が点在しており、苔の中からひょっこり顔を出す姿が人気を集め、可愛いフォトジェニックな写真スポットとしても有名です。春には桜、夏には新緑とアジサイ、秋には紅葉、冬には雪景色と、四季折々の美しい自然が境内に広がり、いつ訪れても異なる表情を見せてくれます。写経体験を楽しむこともでき、心静かに過ごせる場所です。

また、三千院の東側歩いて近くに「来迎院（らいごういん）」もあり、さらに先に「音無の滝」があります。

【豆知識】
三千院の「わらべ地蔵」は、彫刻家の杉村孝氏が、苔の中から顔を出す地蔵の姿を表現したものです。その可愛らしい姿が、多くの人々を魅了しています。また、三千院のある大原は、古くから声明（しょうみょう：仏教音楽）の里として知られ、声明の発祥の地とも言われています。

【穴場スポット】
往生極楽院の裏手にある「金色不動堂」や「観音堂」へ続く散策路は、比較的観光客が少なく、より静かに自然を満喫できます。特に観音堂の近くからは、大原の山里の景色を遠くまで見渡すことができる場所があります。