参拝が最も難しい三徳山三佛寺の投入堂

投入堂への参拝には、本堂脇の登拝口から「行者道（ぎょうじゃみち）」と呼ばれる険しい山道を約１時間かけて登ります。木の根がむき出しの急坂や、鎖を伝って岩壁をよじ登る箇所があり、軽装での入山は厳禁です。動きやすい服装、滑り止め付きの登山靴、両手が自由になるリュックサックを用意し、当日登拝事務所で受付を行って登山します。
途中には休憩用の小堂や石仏が点在し、約１時間の行程を経て岩壁に張り付くように建つ投入堂が姿を現します。直接その真下に立つことはできませんが、「遥拝所（ようはいじょ）」からは全景を間近に拝観でき、その神秘的な佇まいに圧倒されることでしょう。

投入堂の建築方法については、「役行者が法力で投げ入れた」という伝説が伝わる一方で、綿密な石組みと木組みを併用した古代の土木技術の賜物とも考えられています。周囲を取り囲む杉やヒノキの深い緑と断崖が織りなす景観は、信仰の聖地ならではの荘厳さに満ちています。また、登拝後にはふもとの三朝温泉で疲れを癒すことができるため、行と癒しが一体となった体験が楽しめます。


【豆知識】
・投入堂は平安時代後期の創建と推定され、国宝に指定されています。

・その建築方法は未だ科学的に解明されておらず、「役行者が法力で投げ入れた」という伝説が残ります。

・三徳山三佛寺は日本遺産「六根清浄と六感治癒の地」の構成文化財の一つです。

・投入堂登拝時には、滑落防止のため登山靴のチェックが行われます。ヒールやサンダル、底のすり減った靴では登拝不可です。

・遥拝所からは正面に立つことなく全景を拝むことができます。